アダプティブ・クルーズ・コントロールの技術動向、トヨタ、日産、ホンダの違いは?
Adaptive Cruise Control(ACC)と呼ばれる機能の技術動向を調べた。
クルーズ・コントロール(CC(Cruise Control)がクルマが定速走行する機能。
定速だけでなく、適応的に走行することから、
ACCは、基本、車間距離を一定に保つためのセンサーとCPU(コンピューター)が車に搭載されています。
前方を走行するクルマを検知し、車間距離を測るためです。
トヨタのセンサは、レーダーを使っています。そのため 「レーダークルーズコントロール」と呼んでいます。
ACCの適応的走行とは、一定の距離で先行車に追従する機能といっても良い。 前の車が減速した場合、自分の車も自動的に減速する、一方、前の車が加速すると、自分の車も加速することで、一定の距離を保とうとして追従走行する。その際、無限加速するのでなく、最初に設定済の速度まで上げた後は、一定速度を保つ走行をする機能になっている。前のクルマの暴走に付き合って加速することはしない機能である。
□企業
商品化しているのは、自動車メーカーのほとんど。実用化済の技術。
- トヨタは、レクサスを始め、プリウス、ハリアー、アルファード、など多くの車種に搭載。搭載車種はクリックしてください。
- 日産自動車、機能の名前が異なり、「インテリジェント クルーズコントロール」と呼びますが、基本的に、同じ動作、 同じ機能のものがあります。
- ホンダは、ACC〈アダプティブ・クルーズ・コントロール>と 呼びますが、基本的に、同じ動作、 同じ機能のものがあります。
- マツダ、MRCC(マツダレーダークルーズコントロール) と 呼びますが、基本的に、同じ動作、 同じ機能のものがあります。
- など、
□特許
クルーズ・コントロール(CC)の米国特許( 2248件 )のパテントマップを使ってみてみました。ACCの開発は、2013年あたりから急増していることが分かりました。
自動運転車のブームが始まったあたりからより盛んになってきているようです。LiDARなどのセンサの進歩に同期しているように思います。
【マップの注釈】
- 米国特許を選んだ理由は、クルマの市場国だからです。 米国以外の自動車メーカーの特許出願は、母国の出願が多いのは当然ですが、米国にも出願をしているからです。
- パテントマップの特許特定方法は、「クルーズコントロールという CPC分類「B60W30/14」を使いました。
トヨタ自動車の2013年当時のアダプティブ・クルーズ・コントロール の技術開発状況を当時出願された特許び技術内容を確認することで、推測してみることにした。
例えば、US9586582(リンク先は、GooglePatesの公報)では、前のクルマを追従していて、横などの死角から飛び出してくるクルマに対するクルマの制御に関する技術であった。
つまり、2013年にトヨタのACCの技術開発状況は、前のクルマの追従走行というだけでなく、死角からの飛び出してくるクルマなどを想定し、適応する技術開発が進められていたことが推測される。
その後のトヨタ自動車の特許出願は、急増していて、 クルーズコントロール 技術などでは、先行していた日産自動車の特許出願数を大幅に上回る状況になってきていることがパテントマップから分かった。
自動ブレーキの自動車メーカー別の動向(技術・特許)
自動ブレーキの技術とは?
自動車が衝突しそうな時に、車を停止させようとする機能のことです。
欧州での呼称は、Autonomous Emergency Brakingで「自動緊急ブレーキ」です。
衝突する対象物をセンサーが検知し、速度や距離を考慮して、衝突の恐れがあると判断した際に、自動的にブレーキが作動させるものです。
そのセンサーには、「赤外線レーザー」、「単眼カメラ」、「ステレオカメラ」、「ミリ波レーダー」などの複数の種類があって、1種類だけのものもあれば、複数を併用しているものもあります。
センサが違う各自動車メーカー別の技術
自動車メーカーのほとんどが「自動ブレーキ」の機能を商用化しています。
普通自動車で商用化したスバルのアイサイトは、CMなどもしていて知られています。
トヨタは、
https://toyota.jp/safety/scene/scenes/?padid=ag461_safety_about_tss_link01
によれば、 「自動(被害軽減)ブレーキ」 を呼称 とし、
センサに「単眼カメラ」+「ミリ波センサー」 を併用しています。
広い視野で人や走行車両をカメラで認識し、一方、カメラが苦手な雨や霧、夜間をカバーすべく、ミリ波レーダーで認識しています。
日産は、
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/dayz/performance_safety/nim.html
によれば、「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」を呼称 とし、
前方のクルマや人を検知して、ぶつかる可能性が高まると表示とブザーでドライバーに回避操作をメーター内の警告表示とブザーでドライバーの回避操作を促し、 万一、安全に減速できなかった場合には、ブレーキが作動するとあります。
ホンダは、
https://www.honda.co.jp/safety/technology/active/cmbs2/
によれば、「 衝突軽減ブレーキ〈CMBS〉(レーダータイプ) 」を呼称 とし、
※ CMBS=Collision Mitigation Brake System
センサに「ミリ波レーダー」を使っています。
衝突の危険が高まると音や表示、軽い自動ブレーキで注意を促します。
衝突対象が対向車の場合には、ステアリング振動によっても警告する機能もあります。
スバルは、
https://www.subaru.jp/levorg/levorg/safety/eyesight.html
によれば、「 アイサイト(ver.3) 」を呼称 とし、
センサに「ステレオカメラ 」 を使っているようです。
ステレオカメラは、視野角と視認距離を拡大して認識性能を向上させているようで、さらに、カラー画像化をしています。それにより、ブレーキランプの赤く光る点灯を認識できるようにし、従来より性能を高めている。カメラの不得意な逆光にも対応する改善がなされ、安定性を高めています。
他のマツダ、アウディ、など、ほとんどの自動車メーカーが自動ブレーキの機能を商用化しています。
ただし、ここまで紹介したように、トヨタ、日産、ホンダ、スバルの4社を比較してもわかるように、センサが各社異なります。また、日々進化をさせているようです。各社の性能はマチマチといえますし、日々性能が変化していっている状況が分かりました。
盛り上がり方が違う各自動車メーカー別の特許出願
では、各社の特許出願の状況を見てみましょう。
特許出願数を出願年で時系列にしたパテントマップを示しました。
最近の特許出願のボリュームは、トヨタが各社の倍くらいあることが分かりました。
スバルは、200 8年に 初代のEyeSightを出して、その前の開発時期に特許出願を多く出願しました。
その近辺は、日産自動車の特許出願も比較して多くありました。
しかし、最近、トヨタの特許出願が特に多くなっていて、日産自動車の出願が自動ブレーキに関し、減らしてきていることが分かります。ホンダは、2014年に増やしてきていて、その後も継続をしていますが、トヨタに追い付いていない状況です。
商用化した機能のセンサは、各社で異なるようなので、技術開発の違いが出ている可能性があり、特許出願の状況も違うように推測しました。(現時点では未確認です)
【予告】
後日、本投稿をアップデートする予定です。
各社の特許出願の内容を分析し、最近の技術開発がどこまで進展しているか、性能を高めるとか、別な機能にシフトしているとか、など、各社がどこに向かって技術開発を進めているのか、将来の機能を予測できるように、各社の特許出願を把握してみようと思っています。
お楽しみに。
オープンイノベーションが興ている業界に参入企業は?
□ 概況
自動運転車の業界は、オープンイノベーションが興ている限られた業界と言える。トヨタをはじめ自動車メーカー各社は、他社とアライアンスを複数しているからである。
自動車メーカーのトヨタ 、日産自動車、アウディ、ボルボ、メルセデス、BMW、GM 、フォルクスワーゲン、フォード、ルノー 、ホンダ 、マツダ 、スバル 、三菱自動車、ZMP 、テスラ が自動運転車の開発をしている。
サプライヤーのコンチネンタル、 デンソー 、パナソニック、三菱電機は、センサや制御の技術を開発している。
ITメーカーのWaymo、Apple、ソフトバンク、 Apple、インテル 、NVIDIAがGPUなどの半導体やソフトウエアなどを開発している。
タクシー、ライドシェアのUber、リフト は、地図を利用して車を誘導する技術などを開発している。
それぞれがアライアンスをし、自前で開発する自動車メーカーは取り残される状況があるからである。
キーパーツには、LiDARなどのセンサがあ流。多くのパートメーカーやスタートアップ企業が開発をしていて、競争が激しい。
それに加えて、ライドシェアやタクシー、トラックなど、自動運転車を活用したサービス(ビジネス)を目論み、自動車の誘導(ナビゲーション)技術、自動車間の走行距離制御、など、様々なソフトウエアの技術開発が進められている。
このようにパーツ、自動車、サービス、ソフトウエア、情報整備、など、技術開発が多くの企業で行われていて、着実に自動運転車の無人化になる時代が近づいてきてる状況で、その先のサービスまでビジネスが視野に入っている。その市場規模は、巨大になることが予測されている。
しかし、LiDARセンサは、数百万円するなど、高価。それにサイズが大きいなど、普及に必要な価格、サイズ、などが現時点で十分ではない。自動運転の制御にしても、事故を引き起こす懸念があり、公道を無人で自律走行させるには、もう少し技術のレベルアップが必要になる。
だからこそ、最先端の技術を早く手に入れ、商品化したい。それを狙って新たな企業が独自の技術で参入を目指している。
Waymoの自動運転車の技術・特許とは
現在は、Alphabetの子会社。2009年当初は、Googleが自動運転車業界立ち上げを仕掛けた。その後、分社化しWaymoとなりAlphabetの子会社となっている。
□事業
配車サービス「Waymo One」を提供を開始した。UberやLIFTがすでにサービスをしていて、自動運転に特化し、Waymoが参入した形である。
Jaguarと提携し、I-PACEをベースに自動運転車を開発した。
それ以外にも、大手自動車メーカーと提携して、業界を牽引する立場をとっている。
ホンダや日産などとの提携の記事がある。
自動運転車の自律走行技術、ADASの技術を保有。公道でのテスト走行を繰り返す。
□配車サービスの競合
Uberを訴える。その後、和解の記事が出ている。
Waymoは2017年、配車サービス企業UberがWaymoの自動運転車開発に必要な技術に関する企業秘密を盗んだとして、Uberを提訴した。
□技術
テスト走行そのもの技術がある。世界でNo1の走行距離があり、様々なシーンでの自律走行のノウハウがあると思われる。AI技術は、それを学習していて、頭に良いAI君に育っていると思われる。
□特許
Waymo名の米国出願の件数推移は以下。600件を超える特許出願がある。
自動運転車が話題になる前からの出願があることがわかる。
7万円のLiDARセンサをリリースしたLivox
□企業
ブラジルを拠点とするLiDARセンサーメーカー。
製品ラインナップ
Livox LiDAR – The Future in Sight
□技術
LiDARセンサーの精度、範囲、価格、サイズにおいてクラス最高の高性能にすることができる。
□特許
特許・出願は、調査では発見されなかった。
LiDARセンサーメーカー、Innoviz Technologies の技術・特許とは
□企業
イスラエルのLiDARメーカー。
□Patent
米国特許出願があり、LiDAR技術関連が多い。
US20180100928A1 では、レーザーを複数配置し、同時に複数の箇所を検出する高精度のLiDAR技術を出願している。
開発時期は、2016年くらいからであると、特許の出願日から推測される。
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例えば、
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