自動バレーパーキング
未来の駐車場システムのことである。
自動バレーパーキングは、Automated Valet Parkingの略。 そもそも「 Valet Parking 」とは、 ホテルやレストランの駐車サービスで行われているサービスで、係りの人に 車のカギを預け代わりに車の駐車をしてくれるサービスのこと。自動バレーパーキング は、係の人がいない、自動で行う駐車システムのことである。
システムのことがイメージできない方は、まずは、Mercedes-Benz/Bosch の制作したYouTubeを見てください。
このように、駐車は、係員(人)ではなくスマホで指示すれば、勝手に自律走行をし駐車してくれるというもの。
□ 業界の動き
政府は、「 官民 ITS 構想・ロードマップ 」を作成し、その中でも 「自動バレーパーキング」 が取り上げられていて、強いニーズがあるとされている。
2019年6月に 自動走行ビジネス検討会が発行した資料を紹介する。
海外の動き
技術開発やテスト運用をし、検討が進められている。
上述したMercedes-Benz/Bosch は、 Automated Valet Parking System として、取り組んでいる。一方、 自動駐車に限定したものではないが、無人運転として、注目される海外の動きには、「Waymo One」「 GM Cruise 」「 Sensible4 」「 Smart Shuttle Project 」がある。
□ 技術の動き
実用化レベルの一歩手前にあると言えます。残る技術課題は、コストと安全性。特に、コストが下げ利益を上げられるところまでいけば、ビジネスとして加速すると思われる。 なぜならば、公道での無人走行は、道路交通法などの法的な問題が実用化に向けての大きな課題になるが、駐車場が私有地の場合が多いことから、法の縛りが少ないといえる。そうはいっても、駐車場の経営者の責任となりやすいので、二の足を踏みビジネスとしての加速は、まだまだ。万が一の事故に対する保険や事故を起こさない技術のレベルアップが今後も継続することになる。
Mercedes-Benz の取り組みは、車両側に機能を持たなくても駐車場内のカメラや通信などにより、自動駐車できるシステムを目指している模様。
一方、日本での動きは、 自動走行ビジネス検討会 「自動走行の実現に向けた 取組報告と方針」 Version 3.0 によると、車両と駐車場の両方に機能を持たせることを考えている。また、当面の目標は、自動バレーパーキング専用駐車場で専用の車両が自動駐車できることを目指しているという。街の駐車場にだれもが自由に自動バレーパーキングする時代には、まだまだ先になると予測される。
□ 特許情報でみる技術開発の動き
自動バレーパーキングの技術開発は、2014年~2017年にかけて、活発に行われたことが分かった。特許出願を伴い技術開発を進める主な企業は、 Mercedes-Benzと組んでいる「ROBERT BOSCH」であった。2015年、2016年に技術開発が活発になって特許出願がされていた。他には、「FORD」が 2016年に特許出願をして活発化していた。日本の企業は、まだまだ、活発化している傾向は見えなく、トヨタが、特許出願を 最近になって始めている。
- 補足1)本グラフの見方;横軸;開発時期、縦軸;技術開発のアクティビティ
- 補足2)主に、2018年、2019年の出願数は、未公開分の出願が存在するので、より増加する。
- ※ 条件
- 1)調査日;2019/09/30
- 2)対象国;米国特許の出願が対象。
- 3)開発年=出願年とした。ただし、優先権出願は優先日でカウントした。
- 4)検索方法;公報全文のキーワード"Valet Parking"を含む公報
- 5)出願日の限定;2010/01/01~
米国特許ベース
日本国特許ベース
- ※ 補足・条件
- 1)調査日;2019/11/3
- 2)検索方法;公報全文のキーワード"Valet Parking"を含む公報
- 3)出願日の限定;2010/01/01~
- 4)グラフ作成 横軸;開発時期、縦軸;技術開発のアクティビティ
- 5)2018年、2019年の出願数は、未公開分で今後増加する可能性がある。
InnovizのLiDAR特許出願動向
Innoviz企業情報を把握する場合は、ここをクリックしサイト内別ページをご覧ください。
ここでは、Innoviz Technologiesの米国特許公報を検索(※)した結果のパテントマップと特許サンプルを紹介します。
□パテントマップ
米国特許出願があり、LiDAR技術関連の特許出願がされている。レーザーを複数配置し、同時に複数の箇所を検出する高精度のLiDAR技術の出願にフォーカスし出願している。
※ グラフの条件
- 調査日は、2019/09/21
- 2018年,2019年の出願数などは、今後公開される出願で増える可能性がある
- 検索式は、出願人/権利者にキーワード=”Innoviz Technologies”で検索したもの。
- カウント方法は、分割出願を代表のみでカウント
□特許サンプル
- US10353075 では、同時に異なるエリアを検知する技術の出願である。
- US20180100928A1 も基本構成は同じで、新たな工夫を入れている。
□出願国
WO出願があり、米国以外は、中国、欧州、韓国にファミリー出願がある。
「LiDAR」特許出願の動向
「LiDAR」センサーについて米国特許公報を検索(※)し、 パテントマップにしました。
- 調査日は、2019/09/18
- 検索式は、「発明の名称」に以下のキーワードを入れて検索したもの。
キーワード=”LiDAR” or "light detection and ranging"
特許出願が多い主な企業名(出願人)リスト
※ 対象企業の詳細は、リンク先(当サイト内の投稿頁)をご覧ください。
- BOSCH GMBH ROBERT (DE);
- LUMINAR TECH
- WAYMO
- GM GLOBAL TECH OPERATIONS
- VELODYNE LIDAR
- QUALCOMM
- INNOVUSION IRELAND
- UBER TECHNOLOGIES
- INNOVIZ TECH
- DIGITAL SIGNAL
- MITSUBISHI ELECTRIC
- SZ DJI TECHNOLOGY CO
- QUANERGY SYSTEMS
- KOREA ELECTRONICS TECHNOLOGY
- THALES SA
- TUSIMPLE
- DELPHI TECH
- INTEL CORP
- VEONEER
- BLICKFELD
LiDAR
□Technology
LiDAR(ライダー)とは、Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging、laser radarの略で、可視光などの波長の光を照射し、反射光から対象の距離や方向などを測定するリモートセンシング技術。
車載のLiDARは、照射光をスキャンして、その反射光を使い三次元マッピングを行い反射する物体の形状や距離を検出するものが主流で、検出結果を用いて周囲の自動車や歩行者、障害物などの情報を得て、距離が接近しすぎた時に自動でブレーキをかけて衝突を防ぐ機能などに使われる。
●技術課題
市場の欲求は、コスト、小型化、計測精度、処理速度が不足するとみられる。
車体の前方用、右方向用、左方向用、など7ユニット程度が自動運転に必要で、LiDARユニットあたり4,000ドル(約48万円)以上なので、一車両に300万円を超えるユニットコストになってしまう。実用化に向け、2桁の低価格化を目指した開発を進めている。
□企業
LiDARを開発する企業は、自動車メーカーの社内開発にあったり、部品メーカーもある。
先行しているのが米国のベロダイン(Velodyne)である。
WaymoがLiDARを外販している。
それ以外のメーカーも、続々と増えてきている。
最近の記事では、東芝、イノヴィズ、オムロン、Apple、Oryx Vision、ボッシュ、九州工業大学、パイオニア、ルミナー、ウェイモ、Uber、Otto、マサチューセッツ工科大学(MIT)、アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)、パナソニック、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社、などの企業名が掲載されていた。それにトヨタ、フォード、ボルボ、ゼネラルモーターズ(GM)、など自働車メーカーの名前もある。
様々な開発が取り組まれていて、その各社の状況・特長について整理して説明する。
1.Luminarは、量産体制の準備を開始したことを明らかにした。トヨタが採用。
2. トヨタのLiDARは、スキャニングヘッドを8つ備えてて視野向上をしている。
- トヨタ、CESで新しい自動運転の実験車両を公開webCGまた前モデルである「Platform 3.0」より、8つのスキャニングヘッドを持つLIDARシステムを現行型LSのデザインにあった形状としつつ踏襲している。 自動運転 ...【CES 2019】トヨタ、新型自動運転実験車「TRI-P4」を「CES 2019」で公開 - Car Watchトヨタ、自動運転テスト車を新開発 新型「Lexus LS」にカメラ追加、認識性能を向上 (1/2) - ITmediaすべての記事
- ガーディアン(高度安全運転支援)トヨタの「ガーディアン」は、人間のドライバーが常にクルマをコントロールする前提で、事故が起こりそう、もしくは実際に差し迫っている際に、ガーディアンがドライバーによる操作と協調させながら正確な回避に繋げるというものです。(出典;自動運転LAB)
3.東芝が独自のハイブリッド回路で短距離対象物を時間をかけて高精度に測定し、長距離の対象物を真夏の太陽下で200mを誤差125%の計測可能で、かつ高速に処理する技術を開発している。
4.イスラエルの INNOVIZ TECH(イノヴィズ)は、自動車部品メーカーであるデルファイとマグナの2社が出資し、自動運転自動車向けの低コストのLiDARセンサーの製造を開始する。ベロダインよりも小型で価格が安く、イメージ認識能力に優れたセンサーだ。200ドルで販売を開始し、「将来的には100ドルまで低価格化する」とイノヴィズCEOのOmer Keilafは述べている。
5.マサチューセッツ工科大学(MIT)とアメリカ国防高等研究計画局(DARPA)は、LIDARのシステムを1個の極小チップ上に搭載することに成功したとされ、最終的には1個あたり1000円程度のコストでLIDARを自動運転カーに搭載することも可能と見込んでいます
LiDARの「L]はlight を使わず、その代わりに超音波を使い、 5メートル以内の短距離センサーとして、3Dモデルセンサーを開発した。
6.それ以外にも、パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社による、垂直60度、水平270度の広角スキャンを実現する独自構造のレーザスキャンで、高精度測距を目指す開発、オムロンの3D Lidar、 Appleの機械学習によるLiDARの能力限界を補う方法の開発、Oryx Visionの画期的な技術、ボッシュのLiDAR量産、九州工業大学リアルタイム周辺環境、パイオニアのMEMS ミラーを用いた独自の車載用 3D-LiDAR 開発、Waymo がUberが買収したOtto(OttoMotto・Otto Tracking)を訴える。
- 周囲数百メートル先まで認識できるデンソーの高性能センサー「LiDAR(ライダー)」出典;日本経済新聞
- 水平180度×垂直180度の検知範囲、Velodyneが“ドーム型”LIDAR( 出典;日経xTECH) Velodynenのyoutube
LiDARの代替技術
LiDARの安価な代替技術ドイツのスタートアップ企業Toposensの超音波を利用した3Dセンシング技術LiDARを置き換える?コウモリからインスピレ―ション得た超音波式3D検知システム出典;Engadget
□Patent
「LiDAR」の 米国特許出願の推移は、増加傾向にある。
特許出願が多い主な企業名(出願人)リスト
※ 企業の詳細情報が把握したければ、リンク先へ
- BOSCH GMBH ROBERT (DE);
- LUMINAR TECH
- WAYMO
- GM GLOBAL TECH OPERATIONS
- VELODYNE LIDAR
- QUALCOMM
- INNOVUSION IRELAND
- UBER TECHNOLOGIES
- INNOVIZ TECH
- DIGITAL SIGNAL
- MITSUBISHI ELECTRIC
- SZ DJI TECHNOLOGY CO
- QUANERGY SYSTEMS
- KOREA ELECTRONICS TECHNOLOGY
- THALES SA
- TUSIMPLE
- DELPHI TECH
- INTEL CORP
- VEONEER
- BLICKFELD
MaaSの最近の動き
MaaSとは、 Mobility as a Service( モビリティ・アズ・ア・サービス)の略で、 「自動運転のみならず自動車や鉄道や飛行機などの様々なモビリティ手段の在り方及びこれらを最適に統合するサービス(MaaS)のこと。
今ない新たなモビリティ手段を国土交通省を始め、自動車会社や鉄道会社などが検討を行っていて、その動きについて、調べた結果をここでは紹介する。
政府の動き
まず、政府や省庁の動きは、次のような報告がされている。
- 日本版MaaSの実現に向けて (出展; 国土交通省総合政策局 )
- 自動走行ビジネス検討会 「自動走行の実現に向けた 取組報告と方針」 Version 3.0 (出展; 自動走行ビジネス検討会 )
- MaaS (モビリティ・アズ・ア・サービス) について (出展;国土交通省)には、欧州のMaaSの動きが活発化することの予測されている。
- 「スマートフォン等を自動車の鍵として利用するこ とにより、運転することができる機能を認めることとする。」 と報道( 出展; 国土交通省 令 和 元 年 1 0 月 1 5 日報道) スマホで車を操作することの認可が下りることになった。
ダイムラーのMaaS
最も早くMaaSビジネスに舵を切ったのが「メルセデスベンツ」を有するダイムラー。
カーシェアリングサービス「Car2Go」を展開し、続いて、ライドヘイリングサービス「MyTaxi」などを拡充している。BMWとMaaSビジネス領域において事業統合した。
BMWと組んで、5つのMaaS会社を設立、順調に売上と利益を伸ばしている。
トヨタ自動車
トヨタ自動車は、ソフトバンクと提携をした。新会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)」を設立し、2018年度内をめどに共同事業を開始すると発表し、 新たなモビリティサービスの構築に向けて投資する。
デンソーのMaaS
これによると、 「Digital Twin」と「Mobility IoT Core」と呼ぶ二つの技術で構成され、モビリティの状態をクラウドにリアルタイムでデータ収集し、そのデータで、使いやすい時空間情報を提供するというもの。
日産とDeNAの共同開発「Easy Ride」
「2020年代前半の本格サービスの提供に向け、地域の魅力にも出会えるような交通サービスを目指していきます。 」(出展;NeNA)
ホンダのMaas
2019.07.04リリースの「Honda Meeting 2019発信概要」
- 電動モビリティとエネルギーサービスがコネクテッド技術を通じて繋がり、循環するHondaならではの技術・サービス「Honda eMaaS」の構築を目指します。(ホンダのリリース)
- ・このHonda eMaaSにより、再生可能エネルギーの利用を拡大し、「移動」と「暮らし」を進化させることで、お客様価値の向上に貢献していきます。
VENIAM INC
NUTONOMY INC
デルファイに買収され、その後「APTIV」に改名している企業。「APTIV」の詳細は、本サイトの http://pat-analysis.com/car/2019/01/30/aptiv/ を参照。
MaaSのその他
MaaSそのものの定義が広く、多くの会社の取り組みがあるので、今後、調査とともに更新を予定する。
□Patent
米国特許での、「MaaS」特許出願は、増加傾向にある。
「VENIAM INC」「NUTONOMY INC」の出願が注目された。
INTELの自動運転車ビジネスを推進するMobileyeとは
INTELの自動運転車技術を進めるMobileyeは、単眼カメラと画像処理チップと、リアルタイムマッピングシステム、人工知能(AI)の強化学習システムの技術をベースに進めている。
□企業
イスラエルのエルサレムに拠点を置く会社。 2017年に 買収で、INTELの参加に入る。
Mobileyeは、先進運転支援システム(ADAS)を可能にするソフトウェアの大手サプライヤ である。
□製品( 市販品 )
モービルアイ570
モービルアイ570は、 後付けできる衝突防止警報補助システム。ドライブレコーダーのように後付けする 市販品。
□提携
親会社がINTELである。
BMWとIntelとで完全自律型自動車を開発する。2021年の生産開始を計画。
□技術
保有技術(1)は、単眼カメラによるセンシング技術がある。 画像処理チップ「EyeQ3」を使う単眼カメラは、日産やマツダのクルマに搭載され、 歩行者対応自動ブレーキ試験で、 優れた性能であった。(出展;日経XTECH https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/mag/15/00173/00001/ )
保有技術(2)は、 リアルタイムマッピングシステム、人工知能(AI)の強化学習システムの技術がある。
これらの技術は、 「CSLP(セントラル・センシング・ローカリゼーション・アンド・プラニング)」 という元DelphiのAptiv が提供するADAS開発環境で使える技術として、提供されている。 ちなみに、CSLPでは、AI、ディープラーニング、クラウドソーシングを含む最新のテクノロジを ターンキーで 活用できる。
□特許
米国特許、欧州特許、など、特許出願をしている。
詳細は、検討後に掲載予定。
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IntelのADAS技術を推進するMobileye(モービルアイ)とは
Mobileyeが保有する技術は、単眼カメラによる自動ブレーキ技術と、人工知能(AI)によるリアルタイムマッピングシステムがある。
□企業
イスラエルのエルサレムに拠点を置く会社。 2017年に 買収で、INTELの参加に入る。
Mobileyeは、先進運転支援システム(ADAS)を可能にするソフトウェアの大手サプライヤ である。
□製品( 市販品 )
モービルアイ570
モービルアイ570は、 後付けできる衝突防止警報補助システム。ドライブレコーダーのように後付けする 市販品。
□提携
親会社がINTELである。
BMWとIntelとで完全自律型自動車を開発する。2021年の生産開始を計画。
□技術
保有技術(1)は、単眼カメラによるセンシング技術がある。 画像処理チップ「EyeQ3」を使う単眼カメラは、日産やマツダのクルマに搭載され、 歩行者対応自動ブレーキ試験で、 優れた性能であった。(出展;日経XTECH https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/mag/15/00173/00001/ )
保有技術(2)は、 リアルタイムマッピングシステム、人工知能(AI)の強化学習システムの技術がある。
これらの技術は、 「CSLP(セントラル・センシング・ローカリゼーション・アンド・プラニング)」 という元DelphiのAptiv が提供するADAS開発環境で使える技術として、提供されている。 ちなみに、CSLPでは、AI、ディープラーニング、クラウドソーシングを含む最新のテクノロジを ターンキーで 活用できる。
□特許
米国特許、欧州特許、など、特許出願をしている。
詳細は、検討後に掲載予定。
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